カーネル読書会番外編でtalos+中学生+紙飛行機+G・P・L!G・P・L!
昨日のカーネル読書会は、tarosukeさんのによる自作OS「talos」解説でした。
従来のOSの使いにくさセキュリティの低さを抜本的に改善するため設計された新発想OSです。
→talos プロジェクトのページ
昔はじめて見せていただいたのは4年前のIO Hackオフでしたが、それから進歩を遂げ今回の発表となりました。
プレゼン資料は50ページを超える力作。
活発な質問や議論を呼ぶ発表会だったと思います。
一応僕の理解の中でのレポートを以下に(間違ってたら指摘ください)
▽ 使いやすさの追求
talosは使いやすさを追求していますが、その大きな方針は「非WYSIWYG」。
行き過ぎたWYSIWYGは、画面表示を印刷結果に過度に一致させることにとらわれ逆に操作性を損なっていることをPDFファイルを画面上で表示することを例に挙げて説明されていました。
talosでは、データ志向をすすめ、表示はブラウザへのHTML表示のように表示デバイスにあわせて柔軟にレイアウト等が変更されるという操作感をOSレベルで実装するようです。
またアプリケーションという概念を(操作上もシステム上も)撤廃し、ドキュメント志向のUIを目指すとのこと。
このあたりはBTRONの思想を汲んでいるそうです。
将来的にはドキュメントやアプリ(ではないが)はクライアントから分離され、P2Pでユビキタスでクラスタでスケーラブルになるそうです。
▽ セキュリティ = マルウェアプルーフ
従来のアプリに相当するのがユーザータスク。
ユーザータスクは自分でリソース(ファイルハンドルや通信ソケットなど)を開けない。
呼び出しもとのカーネル側がリソースを用意するして、ユーザータスクに渡す。
これにより、マルウェアが不正にリソースをしようすることを防げる。
正確には、リソースを制御するエージェント(ユーザープロセス)をカーネルが生成し、ユーザータスクはこのエージェントに対して指令を出す。エージェント志向。とかちつくちて。
これによりリソースの競合についてもエージェントが適切に処理を行え、また遠隔地のサーバのエージェントをリームレスにリモート利用することも出来る。
▽ カーネルの設計など
開発はLinux+GCC、C++で行っている(テンプレートを最大活用。だが、まだ言語仕様で不満があるとのこと)
ユーザータスクはC++で書くのかな。
独自のO(1)なメモリ管理で高速なメモリー確保処理が出来る。
また、リソースの排他、ロック処理についてはかなり神経質に組んでいるとのこと(これについては、ほかのカーネル開発者もロックは設計上非常に重要な箇所だと話)
プロジェクト管理は、パッチで修正を募るのは非効率的なので、どんどんフォークしていくことを歓迎。talos系OSが増えていくことを期待しているとのこと。
ライセンスはGPLとプロプラのデュアルライセンスで、プロプラライセンスを結ばずにGPL違反をすると高額なペナルティを課すというアイディア。
IMなどはモードレスを考えている。
など
OSの構想が多岐にわたったため活発な質問や議論になった。
最後にtalosの動作デモ。
ブート画面&サンプルのお絵かきソフト。
今回説明でははなかったですが、いまサポートしているデバイスは以下のようなものでしたっけ?
・VGA (VESA)
・PS2キーボード
・PS2マウス
・HDD (ファイルシステムはなんだっけ?)
・LAN
など
一人でよくここまで開発されたと思います。
デバイスはクラスの階層構造になっており、それはC++のクラス構造に反映されている(ん、でしたよね)。
あと、オリジナルブートローダ(talos MBR)の話もあったら面白かったかなー
読書会での説明お疲れ様でした。
完成(とりあえずユーザータスクを開発できるところ)を楽しみにしています。
● ピザパーティ
読書会のあとは懇親会なピザパーティー
▽ おそるべき中学生
今回の話題の中心は、itohさんが勧誘してきた中学生さん。
SUNのイベントにきていたそうですが、なんと中2にしてSolaris使いにしてJavaプログラマー。
自宅サーバ(RedHat Linux fedoraで構築)も運用しているそうです。
礼儀正しいしよく話も理路整然としていて感心な少年です。
将来の有望さかげんにみなさん興味津々でした。
興味津々すぎて質問攻め&名刺交換攻め(ちゃんと名刺つくってもってきてた)で、ピザもろくにたべられない始末。大人のみなさんは自重しる(笑)
将来は開発者をめざしたいということで、よしおかさん早速いろんなオススメ書籍もってくるし(その後ylug MLでも話題になってましたね)。
ブログももっててカーネル読書会についても早速書いていました。
→カーネル読書会に初参加して来た (厨房IT)
楽しんでいってもらえたようでよかった。ピザは大変申し訳ない。
悪い大人にそそのかされた亜玖の道にはしらないことを祈る!
▽ 紙飛行機デモ
Coldfireコンテストで受賞した紙飛行機(iPaperPlane)ももっていきました。
(コンテストの時の日記→こちら)
懇親会ではネットワークとプロジェクターを借りてデモ飛行。
紙飛行機上につんだマイコンの3軸加速度センサーで傾きを検地して、Google Earth上を飛び回ります。
中学生の彼にも遊んでもらった。
なかなか好評でよかった。
ブログにも書いてくれてウレシス(これはすごい技術というよりすごくない技術でここまで出来るのがポイントです)。
なんか今回はtalosエバンジェリストとして行ったつもりが、Coldfireエバンジェリストとしていかにこのマイコンボードがすごいか演説してきてしまいましたw
そうそうコンテストのレポートがFreeScaleのサイトで公開されましたよ。
→第二回ColdFireアプリケーション・コンテスト最終審査会 結果発表
▽ ThinkPad勢ぞろい
なぜか集まるThinkPad。しかも全部OSが違う。
なんでThinkPadなの?
「黒いから」
「四角いから」
「赤いから」
・・・
▽ 天気を制御する企業
Iさんの会社が出しているカレンダーをいただきました。
なんと1年分の天気がすでに印刷されている天気予定カレンダーでした。
この会社が天気を決めていたのですね。恐るべし
おつかれさまでした〜
● 3次会
飲み足りない面々はその後、居酒屋へ移動。
12人。忘年会シーズンながら入れてよかった。
ポメラみせてもらった。
キングジムの文章入力専用マシン。
キーボードが展開される。これがまた打ちやすい。漢字変換はATOKで賢い。起動も早いし。
これはいいねー
カメラマンは僕は引き受けた。
メンバーはGPL!GPL!と唱えれば他人のリソースが我がものになると勘違いしているようだ。
僕が撮った写真は勝手に修正BSDライセンスやGPLライセンスにされたw
請求されたら公開しないといけないらしい。
よろしい。萌え萌えツーショット写真はGPLライセンスで世界に公開してやる。
中学生の彼はこんなダメな大人にならないようにね・・・
お店は新橋駅前の地下街にある「田はら」さん。
おいしい料理ありがとうございました。大騒ぎしてすみません。次回の読書会後のお店もここかな?
・追記
なるひこさんのブログに詳細なレポートがあがってます。こちらも是非
カーネル読書会番外編 talos について
http://d.hatena.ne.jp/naruoga/20081218/1229616000